南相馬修道院からの便り

遅い梅雨の始まりで不順な天気が続きますが、皆様お変わりなくお元気にお過ごしでしょうか? 
この度は、南相馬修道院のシスター鈴木とシスター佐々木の活動の一部を紹介します。

「施設ビーンズ」 Sr M マルタ 鈴木幸子

私は毎週金曜日、知的障害者の施設にボランティアとして行っています。
『NPO法人 さぽーとセンターぴあ』が運営している事業所の1つに、『自立研修所 ビーンズ』があります。

この事業所は、『ビーンズ』『えんどう豆』『ピーナツ』という3つの施設を運営しています。
それぞれの施設は、障害のレベルが違います。
『ビーンズ』は、一般企業に雇用困難な障害のある人に働く機会を提供し、
能力に合わせた作業の指導を通して各自の得意の部分を引き出し、自立した暮らしの支援を行う通所施設です。

毎月、少額であっても報酬が与えられるので、一人ひとりの作業を「仕事」と言い、
その一人ひとりを「研修生」と呼んでいます。毎日その人の能力に合わせた仕事が提供され、自尊心を育む取り組みです。

「仕事」は、企業からの請負の清掃作業や物の作成、
修理、(特に一年中頼まれるのが、福島県伊達市にある聖光学院野球部のボールの修理)
また、ビーンズ独自のパン工房やカフェの手伝い、その他様ざまあります。
大切な事は、一人ひとりに寄り添って、ゆるやかな社会参加を促し、地域で自分らしく生きられるようにすることです。
そのために、施設長は、一人ひとりと話す時間を大切にしています。
特に将来について、親の亡き後どのように生活して行くのか、大きな課題になっています。
障害者自身が、すでに30歳台、40歳台になっているため、
今、「さぽーとセンターぴあ」で、将来の受け入れ場所のための施設を計画して動き始めています。


私はボランティアとして週に一度ですが、研修生では難しい作業や、研修生のやった物の手直しなどを行います。
その日によってやることは違いますが、必ず「研修生の仕事を手伝う」姿勢で行います。
以前は、パン工房の中で、粉を測ったり、皿洗いを手伝ったりしていましたが、コロナが出てから、外部の人は工房に入れなくなり、
今では、「きょうは何をしましょうか」と、その日に頼まれる仕事を行っています。

その中でたくさんのことを学びます。
障害のある一人ひとりを大切にして寄り添うとは、どういうことか研修生に対する職員の関わり方を見て、学びます。
また、障害者同士の関わりの素晴らしさを見ながら、真の共同体の姿とは何かを学びます。
私は若くないので、時には行くのが重たい時がありますが、黙って傍にいて彼ら、彼女らを見ているだけで力になることもあります。

私自身は、何かをする、してあげるではなく、職員や障害者を通して大きなものを頂きます。

この小高にいて、地域の人々と共に歩むためにも、学ぶところが沢山あり、感謝しています。

『ビーンズ』にはカリタス南相馬からシスター鈴木のほかに
聖霊会のシスター村上とカリタス南相馬常勤職員の宇根さんがボランティアとして派遣されています。
二人体制、三人体制あるいは一人だけの時もありますが、
外の空気をもたらすボランティアは、施設の方たちにとって貴重な存在です。この施設の方たちのためにお祈りをお願いします。

続いて、シスター佐々木康予のページです。
シスター康予は「おれたちの伝承館」でボランティアとして案内係(管理も含め)をしています。
それだけでなく、コヤギファームというブドウ園農家や小高の双葉屋旅館の手伝いなど、小高の人々と出会う良い働きをしています。
この度は、「おれたちの伝承館」についての紹介です。


今日はここまで、皆さんお元気で! 

援助マリア修道会 南相馬修道院 北村令子




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