南相馬修道院からの便り
巳年「神の使い」
(マリア様の足元に蛇)
明けましておめでとうございます。
1月1日は、神の母マリアの祝日で、世界平和を祈る日です。
戦争が長引いて、多くの人が過酷な苦難を強いられています。
ガザでは、待ちに待った双子の赤ちゃんが生まれ、お父さんが出生証明書を取りに行っている間に、
家が空爆で、赤ちゃんもお母さんもなくなったという痛ましいニュースを聞きました。
平和な世界はいつ訪れるのでしょう?
神の母マリア、世界の平和を取り次いでください。
すべての人が神の子としての自由と平和と喜びのうちに生きることが出来ますように!
今年は巳年。蛇はあまりいいイメージがないようですが、
日本では、「神の使い」とも言われたり、
家に蛇が住み着いたら幸運があるとか言われます。
私の子供のころ、田舎の家に蛇が住み着いていました。
「追っかけたらダメ、いじめてはダメ、殺してはダメ」と、母から言われ蛇も大切にされていました。
夜中に鴨居からドサッと落ちて目が覚めることも度々でした。蛇はすぐスルスルと元のところに上っていきます。
巳年のことを少し調べてみました。
日本では、蛇は脱皮をするので「復活と再生」を意味します。
不老長寿と言われるように、強い生命力を持ち、縁起のいい動物とされ、
また豊穣神、天候神として信仰の対象にされています。
蛇は恩を忘れず、かえって恩を返す動物で、「神の使い」と言われています。
これで、子供のころ言われていたことに合点がいきました。
聖書では、蛇は創世記の初めに、人間をだまして神様から叱責される動物として登場します。
聖書の最後の書である黙示録では、蛇は神の子を産もうとする女(マリア様)の傍らで、
生まれたら噛み殺そうと構えている動物として描かれ、悪魔の化身とされています。
マリアの足元に蛇が踏みつけられている聖母像があります。
マリアから生まれてくるイエスが、十字架によって悪に打つ勝つことを暗示したものです。
戦争、暴力、殺人、偽りなどの悪から、聖母マリアが私たちを守ってくださることを願って、
新しい一年をスタートしましょう。
今年も、南相馬便りで、ニュースなどで報道されないことなどを、
お知らせしようと思います。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
「わたしの召命物語」
東京オリンピックの年、1964年6月7日に、私は援助マリア修道会に入会しました。
当時はまだ国鉄でSL機関車の時代です。修練院のある下関は、本州の果てのように遠く感じました。
母が福山駅まで送ってくれました。
もう二度と家の敷居を跨がないという覚悟で、母に涙の“さようなら”を言いました。
(当時は結婚も二度と実家の敷居を跨がない覚悟を求められていました。)
姉の同級生の男友達が、「土塀の上を走ったり、屋根の上でチャンバラをするような、
あのお転婆のレイコが修道院で務まるはずがない!すぐ帰って来るから心配するな!」と言っていたそうです。
神様は何と不思議なことをされるのでしょう。昨年は入会60年のお祝いをして頂きました。
入会の前に母の日に最後のプレゼントをしました。その返事の手紙は、最初で最後の手紙です。
母は、年賀状はくれましたが、手紙はこれっきりで、他に一通もないので私の宝として今も手元にあります。
手紙の一部を載せます。母は大正生まれなので、仮名遣いが昔風です。
「・・・あと1ヶ月で入会とのことですね。しばらくお便りが頂けないそうですが、
ちょっぴり寂しいやうな気がしますが、お母さんは此の頃こう思うようになりました。
もともと子供と云うものは親の独占すべきものではありません。
又、昔から母親はかり腹と云う事があります。これとは意味が少し違いますが、
子供達は神様から預かった大切なお子で、それぞれ目的進むべき道は違っては居るけれど、
約束された道に進むまでをあやまちのないように丈夫に育てて、
お返しするまで大切に楽しく一緒に暮らして行くのが母子であり母の務めなのだと思います。
お姉ちゃんは力さんとともに良い社会人になるように進むべき道が与えられたのでお返ししました。
貴女は神様のお膝元でお仕事をする道が示されましたのでお返しいたしました。
眞子さんも道隆さんもそのうちにお返しできる日が来るでしょう・・・」
その後、娘である私への感謝が綴られていました。
私はこの手紙を読んだ時、自分が神様に生涯をお捧げすると思っていましたが、
私の奉献の前に母の奉献・家族の奉献があることを自覚しました。
修道院に入って皆さんの話を聞くと、家族に猛反対されて、勘当のような形で入会した方もあるので、
どんなに私の母が寛大に許してくれたことか、改めて感謝しました。
今日はここまで、皆様良いお正月をお過ごしください!!
援助マリア修道会 南相馬修道院 北村令子
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