南相馬修道院からの便り 「空の鳥をよくみなさい」―マタイ 6章26節― 大型台風10号が各地で大きな被害をもたらしていますが、皆様ご無事でお過ごしでしょうか? さて、東北電力は、安全対策工事が6月に完了したとして、 女川原子力発電所2号機の再稼働を、この9月に実施すると発表しました。 再稼働すれば、2011年の東日本大震災で被災した原発で、初めての稼働となります。 しかし、県内55の市民団体は、能登半島地震を踏まえ、6月17日に宮城県知事村井氏に対し、 再稼働の中止、県による再稼働への同意を撤回するよう求める要請書を提出しました。 能登半島地震での原発の地震対策と避難計画の不備をもとに、 原発の安全性の検証が終わっていないことを理由に挙げています。 市民の中には13年間停止していた原発の再稼働に大きな不安を感じている人もいます。 能登半島の地震が起き、改めて活断層の検証がされているのかという疑問が浮上してきます。 日本の自然災害の多さと災害が大型化していることを考慮すると、 原発がそれらに耐えられるのか大きな疑問が起きます。 万が一、事故が起こってしまえば、東電第一原発の廃炉の困難さは言うまでもなく、気が遠くなるほどのことです。 「度重なる取り出し延期 デブリの行き先 (福島民報2024年6月4日から) 東京電力福島第一原発の1~3号機に残る溶融核燃料(デブリ)は880トンと推計される。 事故から13年余りが経過した今日なお、1グラムも取り出せていない。 原子炉格納容器内は、放射線量が極めて高く、人間が立ち入っての作業は不可能だ。 東電は、遠隔ロボットなどを用いて内部を調査しているが、作業は一進一退の様相を呈している。 取り出しに成功したとしても、処分方法や処分先は何も決まっていない。 廃炉の『最難関とされるデブリ取り出しを巡る課題を探る。』」 福島民報2024年6月6日付 「日本原子力学会は2020年(令和2)7月、東京電力福島第一原発の廃炉が完了し、 敷地を再利用できるようになるには『最短でも100年以上かかる』とする報告書を公表した。 2051年までの廃炉作業の完了をうたう政府と東電の廃炉行程表『中間期ロードマップ』に対し、 行程の範囲内で通常の原発の廃炉後と同じような状態にするには『現実的に困難』と疑問を投げかけた。」 <以下要約> 報告書は1~3号機にある溶融核燃料(デブリ)をすべて取り出した時を起点とする四つのシナリオを示している。 デブリ取り出し後に直ちにすべての構造物設備の解体をはじめ、 撤去する場合は完了までに100年以上かかり、約780万トンの放射性廃棄物が出ると試算。 四つのシナリオのどれをとっても、百年以上数百年かかり、放射性廃棄物の処理の見通しも立っていない。 今後、廃炉技術が飛躍的に進歩し、デブリ取り出しが軌道に乗っても問題は解決しない。 放射性廃棄物は県外に持ち出すよう県は国に求めているが、デブリの最終的な処分方法、 処分先についても現行の法律や制度は何も定めていない。 経済産業省資源エネルギー庁の担当者は 「性質も総量も未確定なデブリの行方を決める作業は相当難航する」と認める。 8月にデブリ取り出しが始まったが、接続手順ミスでストップしている。 (小高の田んぼに白鳥) 「空の鳥をよく見なさい。種を蒔かず、刈り入れもせず、倉に納めもしない。 だが、あなた方の天の父は鳥を養ってくださる。・・・」(マタイによる福音6章26節) 私はここ小高に住んで、小鳥の多いことに驚きと喜びを感じています。 朝4時ごろに、「キーッ、キーッ」と目覚ましのように鳴く雉、小高川の桜並木の下を散歩していると、 山の方から、草原から、川の中州から「キーッ、キーッ」と聞こえてきます。 桜の木の葉の中から、「ホ〜ホケキョ、ケキョ」と春から夏まで鶯がうたいます。 「ババッチィ、ババッチィ」と鳴くのは何の鳥でしょう? コツコツとアカゲラ、「トーキョウトッキョキョカキョク」と鳴くホトトギス、 足元にはコスズメやセグロセキレイがチョコチョコ、ピョンピョンと歩いています。 もちろんカラス、ヒヨドリ、トンビ、山鳩はどこにでもいますね! 田植えのころには燕が「チィチィ」。 川の中にはカモやカイツブリ、白鷺、時には鵜の姿も見ます。 冬には白鳥も、もっとも空の鳥というより水鳥と言うべきでしょうね? 私の耳に、目に入る鳥だけでも17種類はあります。 素晴らしい自然の讃歌ですね!? 今日はここまで、皆様良い日々をお過ごしください!! 援助マリア修道会 南相馬修道院 北村令子
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