南相馬修道院からの便り  「見さ来ぅ南相馬!」


(「梅に鶯」私作のパステル画)

辰年ということで、1月号で昇り龍の話を取り上げ、大蛇伝説に脱線したからでしょうか?
元旦早々に大変なことが起こりました。
能登半島の大地震と津波、火災という大惨事に、心からのお見舞いとお祈りを届けたいと思います。
カリタス南相馬も何とか皆様のお力になりたいと能登ボランティアベースの立ち上げに協力しました。
備蓄している物資を届けるよう早速動きましたが、余震が続いていたことと、交通の回復がままならないことで、
思うように事が運びませんでした。

地震発生のニュースを聞いた時の私の反応は、あの地域にはたくさんの原発があるはず!!
大飯原発、敦賀原発、柏崎刈羽原発は大丈夫だろうか?というのが第一反応でした。
調べてみると、石川県、福井県、新潟県で6ヶ所の原発があります。
石川県に志賀原発(北陸電力)、福井県に敦賀原発(日本原子力発電)、美浜原発(関西電力)、大飯原発(関西電力)、
高浜原発(関西電力)、新潟県に柏崎刈羽原発(東京電力):7基も抱えている日本で一番大きく、出力は世界最大級とのこと。
原発に事故があったら、福島浜通りの二の舞になるので、それだけは勘弁してくださいと心で祈っていました。
幸いなことに、すべての原発は無事だったので、胸をなでおろしました。
能登半島の被災された方々に、一日も早い平穏な日常が回復されますようにと祈ります。

カリタス南相馬の今年度のキャッチフレーズについて、東京教区NEWSで幸田司教様が紹介してくださいましたが、
読むことのできない方もあるでしょうから、ここに少し紹介します。
(カリタス南相馬のFacebookに全文が掲載されています。)

「見さ来ぅ南相馬!」

「『見さ来ぅ南相馬!』というのは、2024年のカリタス南相馬のキャッチフレーズです。
浜通りの言葉で『見においで』という意味です。
カリタス南相馬の前身であるカリタス原町ベースは、
全国から東日本大震災被災地に来るボランティアの方々に、宿と食事を提供するために始まりました。
その後、ボランティアだけでなく、特に原発事故の被災地の現状を知りたいという方々の案内をするのも、
私たちの重要なミッションと考えるようになりました。・・・・福島の原発事故は過去のことではありません。
今も福島第一原発には大量のデブリが残ったままで、その処理や廃炉の目処はたっていません。
一方で周辺地域の状況は年とともに変わってきています。
ALPS処理水の海洋放出の問題、除染によって出た除去土壌の再利用の問題は決して福島だけの問題ではありません。
政府が原発の再稼働や増設、新設に向けて動き始めた今だからこそ、原発事故の影響が今もどのように続いているか、
あの震災と事故から学ぶべきことは何なのか、自分の目で見て考えることが大切だと感じています。・・・・
福島は自然との関係や、わたしたちの生活を見つめなおす回心の地でもあると言えます。
東京駅から南相馬市原ノ町駅まで、常磐線特急で約三時間半。どうぞ皆さま、『見さ来ぅ南相馬』、南相馬を見に来てください!」 

カリタス南相馬に来られる時には、車窓から特に海側の景色に注意をして見られることをお勧めします。
いわきから竜田までの景色と富岡駅から原ノ町駅までの景色が違ってくるのを感じられるでしょう。・・・・
駅周辺は開発が進んできれいに整備されたように見えますが、中心部を過ぎると、まだまだ草ぼうぼうの空地が目立ってきます。
ボランティアに来られるときは、1日は原発被災地の視察を予定に入れることをお勧めします。
政府が、原発の再稼働や稼働年数の延長を推進している今日だからこそ、
原発被災地の復興がどれほど大変なことかということも知っていただきたいと思います。

岸田総理は、被爆地広島出身の総理として、核軍縮については前向きに検討していくというような意味の発言をされて、
脱原発への期待を抱いていました。
しかし、いつのころからか原発についても、核軍縮についても、核の傘下にあるアメリカへの追従の発言が濃くなってきて、
私の期待はしぼんでしまいました。

次の記事は「霞む最終処分:処理水は語る」というテーマで、昨年12月1日からの福島民報に連載された記事の一部です。

政府の検討委員会の座長があきれるほど、海洋放出の結論ありきで、会議は名目上開かれたにすぎないと感じられるような記事です。
そして現場の漁業者の理解なしに決して放出を実行はしないと約束しながら、
全漁連も県の漁業組合も最後まで反対を表明していたにもかかわらず、強硬に海洋放出を推し進めて実行してしまいました。
政府の杜撰なやり方にあきれて、怒りさえ覚えます。
国民の声を無視して、日本の民主主義はどこに向かっていくのでしょうか??
大変重い課題で、私の小さな頭と心に納めきれません。
ただ、子どもたちの将来の生活に大きな不都合が出ませんように!
すでに環境汚染が深刻な世界です。神様のみ心に祈りで訴えるのみ!!

今日はここまで。皆様お元気で!!

援助マリア修道会 南相馬修道院 北村令子




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