シスター石田咲子
「WYDに参加して 「マリアと共に咲子は急いで出かけていった…」
8月9日にリスボンから帰国してからも、MAGIS(Ignatian Familyの青年大会)とWYDの熱気はなかなか冷めやらず、
キリストの愛の炎による熱中症気味な日々を過ごしています。今もなお、目を閉じると群衆の人だかり。
イエスのもとに集まる群衆の姿を、これほどまでに鮮明に想像することはこれまでありませんでした。
なにせ、私が体験してきた日本の教会はいつも閑散としていて高齢者中心。
イエスに呼びかけられた若者たちが世界中から集まる、その群衆のただ中に私もいることに、
めまいがするほどの熱気と歓喜を味わいました。
しかしながら、あまりの人混みにイエスを見失いました。自分がどこにいるのか?祭壇はどこ?パパ様は?
人だかりの向こうに見えるモニター画面をとおして、どうやらミサが進行していることは分かるのですが、
群衆に遮られてイエスに出会いたくても出会いないジレンマを感じました。
これでは、聖体拝領も無理なのでは…とあきらめかけたとき、ふと背後に白い傘に先導された聖体奉仕者の姿が。
この群衆のただ中にあって、前にも後ろにも斜めにも、イエスが共にいてくださることを実感した、感無量のひと時となりました。
帰国後のカトリック新聞(8月20日付)で、ようやく教皇フランシスコが会期中に何を青年たちに語りかけておられたのかを知ることができました。
「倒れたままではいけません。起き上がるのです」。そして、隣人を助け起こすように呼びかけておられたことが分かり、
まさに私にとってのMAGISとWYDの体験がその呼びかけに応えるものだったと気づきました。
今回の旅を共にした日本のMAGIS巡礼団は、インド人の神父様を中心とした中国人とフィリピン人、インドネシア人、
日本人から成る多国籍グループでした。
意見の相違や疲労、言葉の壁などで、ぶつかることが度々あり、そしてまた倒れた仲間を助けて共に起き上がり、旅を続けてきたのです。
「マリアは出かけて、急いで山里に向かった」(ルカ 1・39)。山里に向かう道中、マリアもまた疲労を感じ、
未知なる未来への不安にかられることもあったのではないでしょうか。
人生の旅路において倒れても、なお希望と喜びに向かって歩む力を与えてくれるのが、マリアの胎内に宿られたイエス・キリストであり、
前からも後ろからも斜めからも共にいてくださるイエス・キリストのご聖体の愛なのだと実感します。
巡礼の途上、よろめく私の歩みを助けてくれたご聖体にいのちをいただき、マリアと共に新たな人生の旅路にでかけていくようにと駆り立てられています。
2023年8月15日 聖母被昇天の祭日に
S.M.咲子
(MAGIS in Singeverga)
(ぶどうの木の下でのミサ)
(WYD Lisbon 2023!) |
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