南相馬修道院からの便り 「双葉町ようやく一部避難解除!」

何と時は早く流れるのでしょう!!
早や、2022年残すところ1か月
3.11から11年と9カ月。

少し古い話ですが、喜ばしい出来事もあります。
浜通りで全村避難地域(12市町村)の一つで、唯一まだ避難指示が解除されていなかった、
双葉町が震災後11年6カ月たった8月30日午前0時に、町の一部が解除され住民が帰還できることになりました。

報道では大々的に住民の帰還が可能になったことの報道がされましたが、
解除された地域は常磐線の双葉駅周辺のほんの一部分です。7、8ヘクタールで全町の10%未満の範囲です。
双葉町の大きな部分は中間貯蔵施設(除染で出た放射線汚染土が埋められています。
町の1割ほどの広い土地を国が借り上げて、30年後には地主に返却する約束の土地)に取られ、
その隣接地域なのに本当に安心なのか?疑問です。


でも帰還ができるとなって、故郷である双葉町に思い入れのある方々には、大きな喜びの時です。
帰還困難区域の線引きがなくなって、解放された感じを味わっておられる記事を読むと、
ああ、よかったね!と思いますが、ほんとうに住民はどの程度帰還するのでしょうか?
帰りたい人が今回の解除区域に、はまらない人も多いことでしょう。
帰りたくても中間貯蔵施設に土地を取られた方々は、帰る土地がないし、
まだ避難指示区域になったままの大部分の地域の人々にとっては、複雑な気持ちでしょう。

帰還したくても10年以上避難した地域で生活が安定している人にとっても
、故郷への思いは強くても現実には、なかなか帰還の決断もできないで、
心が引き裂かれている人も多いことでしょう。


また、福島県浜通りの海岸周辺は津波と放射能汚染によって、
居住不能の広大な土地が空き地のまま放置されています。
ソウラ―パネルで埋め尽くされたところもありますが、国は、何とか有効活用の道を模索していました。
長い検討の後に、福島県は浪江町に国際研究教育機構の誘致に手をあげ、
国が承認すれば日本の最先端の頭脳がここに集まることになり、多くの若者が働くこととなるでしょう。
そうなれば福島の新しい創造が始まっていくことでしょう。
すべてを壊されたかと思われるところから、さらに良いものを人間が作り出していけるように、神様は道を開いてくださるのでしょう。

自然破壊による環境汚染、気候変動、2022年は世界中が大きな自然災害に見舞われました。
教皇フランシスコが「被造物の声を聴け」と呼びかけられたように、現代に生きる私たちが被造物を大切にして、
後世の人々の暮らしを守る義務があると思います。そのようなことを考えるためにも、
ここ浜通りに建設される国際研究教育機構が大きな役割を担うのではないかと期待しています。

2022年の終わりに、少しでも明るいニュースをお届けできるのは嬉しいことです。


今年も多くの方々からたくさんのプレゼントをいただきました。この場でお礼を申し上げます。
その都度お礼のお手紙を差し上げられなかった方もあると思いますので、
これをお読みになった方、私の心をお知り合いの方にもお伝えください。


「光は暗闇の中に輝いている」
今の世界は暗闇のようです。でも、聖書はその中に光が輝いていると言います。
主イエスが今日ここで人々の心の闇を照らす光として、
お生まれくださることを心から願っています。

良いクリスマスと新年をお迎えください。
今日はここまでとします。皆様 お元気で!!

援助マリア修道会南相馬修道院  北村令子






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